Hurly-Burly 【完】


ポツリポツリと座り込んでいく俺たち。

「日和のこと大事にしてよね。

あたしの大事な親友に関わった以上は、

日和を泣かせにかかったらこのあたしが

ただじゃおかないわ。

地獄の果てまで追って叩きのめしてあげる。」

そう脅してくるサユリンにみんな息を呑んだ

と思う、それがとても真剣だったから。

「やれないと思ってる?

あたしは本気よ、日和のためなら例え犯罪を

犯しても構わない。

あんたら全員殺せるぐらい大したことないわ。」

ヒヨリンは人にどんな呪文を掛けてるんだ。

相沢や村田をあそこまで心配掛けさせて、

親友にこんなことを言わせる。

「アイツはそんな簡単に泣く女か?」

ちぃーがお茶を一口飲みながら、

サユリンに呟いた。

「泣かないわね。

どんなに泣きたくても痛いの我慢する子だもの。

本当に泣いたところなんて一回しか見たこと

ないぐらいにね。」

ヒヨリンの涙か。

そんなの俺は見れねぇな。

女の涙は苦手だからな。

ヒヨリンに泣かれたらどうしていいか

分からなくなりそうだな。

「へぇーひよこ姫も泣くんだ?」

伊織は地面にそのまま座り込んだと

思ったら煙草を吸い始めた。

ったく、肺が真っ黒になるぞ。

「でも、泣いてる顔を見たことはないわ。

決して、弱音を誰かに吐こうとする子

じゃないのよ。」

ヒヨリン、気が強いもんな。

この間だって、危ない目にあった

のに一人で片付けちゃってさ。

どんだけ、焦ったか知らないはずだ。

その事実を聞いて俺たちがどれだけ

心配したか分かってねぇ。