初めてのことにジッとトマトを見つめる。
いや、これはチャレンジあるのみよ日和!!
神様があたしにチャンスを下さったのだ。
よしっ、いざ出陣。
「・・・・・ねぇ、それあたしの。」
ナル君のフォークにあったトマトを
何の変哲もなくパクッと口に入れた
ちぃー君をギョッと見る。
「目の前にあった。」
だからって、あたしのチャンスを!!
「酷いっ!!
ナル君が折角くれようとしっむげっ!!」
言ってる途中でちぃー君の攻撃が・・
「トマト?」
ドキドキするタイミングもなかった。
ちぃー君のフォークに刺さったトマトが
あたしの口にホールインワン。
「ぴーぴー喚くなよ。」
あんたのせいだろ。
意味分からないよ。
あんたのしたいことは何さね。
「ちぃー君、頭打った?」
元々、頭打ったような人だけどさ。
ほら、ボケッとしてるから水こぼしてさ。
「あー、零れちゃった。」
何を見ておるんだ!!
少しは慌てろ。
店員さんが来て新しいコップを
出してくれた。
「ちぃー、酷いじゃんかよ。
俺がヒヨリンにあげたのに。」
ナル君を頭撫でて宥めるあんた
の自由さと来たらピカイチだよ。
そして、ちょっと抜けてる。
強そうには見えない。
もしかしたら、あたしの目に異常が
あるのかもしれない。
眼科に行って手術をしてもらおう。
手遅れになる前に気付いて良かったぞ。
ちぃー君よ、ご飯食べながら寝ようと
しないでよ。

