Hurly-Burly 【完】


それにしたって本当に個性バラバラだよ。

よく仲良くしてられるもんだよ。

「日和ちゃん?」

馨君けど、あたし立ってる方が好き。

座るのもいいんだけどね。

一列に並んだみんな見てると

ちょっと心がホッとする。

「いいんだ!!

あたし足腰強いほうだから。

立ってるよ。」

にーって笑うとみんなから白い目で

見られた。

「何か、それエロいね。」

伊織君、はっ倒していい!?

そんな意味で言うか!!

この真昼間からそんなこと

考えるのはあんただけだよ。

「伊織君、最低ー!!」

べーって舌を出して却下した。

この男、絶対いつか刺されろ。

「うげっ」

また揺れて後ろに反り返った。

ひぃぃー、っこれはヤバいよね。

っていうか、いつの間にこんなに

込んでたんだよ!!

後ろにドサドサ人が居てビックリだわ。

後ろに居た人に頭を下げる。

いやー、恥ずかしい。

お昼、近いから込んできたのかな?

「・・・・ッ」

あたしより年上の人っぽく見える

女の人が気分悪そうにしてた。

妊婦さんかな?

「あの、大丈夫ですか?」

口元を押さえる彼女に近付くため、

人を掻き分けていく。

みんなとはぐれても降りるところは

覚えてるし、大丈夫なはず。

苦しそうに眉を顰める彼女の背中を擦る。

こんなにたくさん居るもんね。

気持ち悪くなっちゃったんだ。

どうしよう、こういう時って

駅員さんに報告っていうのするべきだよね。