Hurly-Burly 【完】


あんたらは小学生か!!

まだ小学生の方がオツムあるぞ。

「うおっ」

電車が揺れて足元が崩れる。

手元に手すりがなくて、

ユラユラ揺れること

足に力を込めた。

「お前、本当に女か?」

目の前ではギョッとあたしが

フラついたせいか手を前に出した

ド金髪とフェロモン魔人が居た。

「普通こういう時は上手く助けられる

もんじゃねーのよ。」

そうは言ってもそれは漫画の読み過ぎよ、

女子たるもの全てが全てそうとは限らない。

「何とでも言えばいいさ。

しょうがないじゃん、あたしがそういうの

されるとか考えただけでも寒気がするッ。」

吊革に捕まろうと必死に手を伸ばすが

すごい大勢だよ。

吊るされてるみたいなのね。

「日和ちゃん、ここに座って。」

いや、っもう馨君。

あんただけだよ!!

あたしに席を譲ってくれるとは。

紳士ばんざーい。

「その気持ちだけであたしのHP100回復した。

無敵になれると思うんだ。」

魔人とライオンを成敗してくれる!!

「いや、そういうのいいから。

ほら、見てると危なっかしいから

座ってくれると安心するんだけど。」

泣いていいかな。

この人自覚してます?

世の中の男子がみんな馨君化すれば

いいと思うよ。

あたしそんなこと言われたのは初めてだし。

見た目は派手だとか思っちゃってごめんよ。

この考えを改めるべきときたよ。

あたしの人を見る目もちっと養わないと。