それを見たみんなはサユを怖がったに違いない。
「ひーちゃん、暑苦しい。」
サユ怖っ。
時々見せるマミーそっくりだよ。
ダディを叩くマミーの遺伝子
恐るべし!!
ダディの遺伝子どこ行ったー。
「はいっ、調子乗りましたでございます。」
反省次郎ごとく反省する。
サユをキレさせると大変だ。
大騒動が起こるぞ。
国家的陰謀が暴かれちゃうぐらいに
危険的だよ。
マコ君、サユを怒らせた時腕を
折られたとか言ってた。
しかし、それでも愛のむちだよって
照れ笑いするマコ君を見たときは
悍ましかった。
どこからその根性が湧いてくる
のかあたしは一度あなたの心の
中を覗き込みたいぐらいだ。
サユに完全尻引かれるマコ君は
それでもサユにアイラブユーだし、
その肝の座ったところは尊敬に値する。
「分かればいいの。」
サユを絶対に怒らせまいと誓う。
マコ君、笑顔でいつもサユを宥めて
本当にいい旦那をもらったもんだよ。
まだ、結婚してないけどきっと2人は
するんだろうな。
あたしも結婚式には呼ばれちゃうのかな。
2人のエピソードとかスピーチしちゃう
のかもしれないよ。
「ヒヨリ、戻ってきなさい。」
完全に妄想の中の結婚式でスピーチを
しようとしたあたしを現実に戻すサユ
の声と、猟奇的な彼女のビンタ。
「さーちゃん、今の本気!?」
バッチコンと頬に走る痺れ。
車内に響き渡る綺麗に乾いた音。

