負けは負けか。
運がついてなかったとそう思うしかない。
「さぁ、出せよ。」
お、恐ろしいぜよ。
「あの、あたしガール!!
ソフトなデコピン以外は受け付けん。
ひっ、ぃぃぃぃぃぃぃぃい」
取り押さえるとは何をする。
「は、放せ!!
これは犯罪だぞ。
傷害罪で訴えてやるぞ。」
前髪を上げられる。
ちょ、本気だ。
キラリと映る視線がハンターの
ようで冷や汗が背中を流れる。
「痛いよー、サユ。
あの大人げない奴らに苛められた。
オデコ死滅した。
凹凸の多いオデコが出来あがちゃったよー。」
ナル君、以外本気でデコピン食らわして
きやがった。
ナル君がちょこんとしてきたデコピンだけ
優しさが籠ってた。
「はいはい」
サユはあたしのおでこを優しく撫でる。
「どうしよう、これ以上不細工になったら
大変ごとだよっ!!」
サユは呆れながらもオデコを擦ってくれて、
「へーきよ、赤くなってるだけ。
それにあんた不細工じゃないから
安心しなよ。」
あたしは決めたぞ。
もう2度とこの大人げない奴らと
トランプはせんと。
「さーちゃん」
抱きつこうとしたらオデコに攻撃受けた。
サユのデコピンが一番痛かった。
泣きそうになるぐらい痛かった。
強靭なマッチョを父に持つ娘の
デコピンは超絶に決まった。

