ヒヨリンは今何をしてるんだろう?
「けど、相沢と村田が気になるよな。」
慶詩が耳に髪を掛ける。
「ああ、確かに。」
ユウヤが手を止める。
確かに、俺も気になってた。
よくヒヨリンのことを知ってるみたいだし、
あの事件の時もヒヨリンのこと心配してた。
「俺は怪しい関係でないと思うけどねー。」
伊織が煙草に火をつける。
「大事な子ってのが引っ掛かるんだよね。」
馨は眉を顰める。
「相沢や村田がアイツを好きっていう
わけでもなさそうだしな。」
「サユリンなら知ってそうじゃない!!」
相沢も村田っちもサユリンのことを
さーちゃんと言ってたし。
「知っててもあの子は言わないだろ。」
伊織が煙をふうと吐く。
部屋に充満する煙草の煙。
「えっ、何で?」
伊織の方を見ると、
「ああいう子って見た目派手だけど
心はナイーブなのよ。
ひよこのことすごい大事そうだったろ?
ひよこの行きたいところばっかり言って
自分よりひよこ中心に考えてると思うなぁ。
あの子がそんな簡単にひよこのこと話す
わけないと思うけどねー。」
煙草をプカプカ吸いながら、
そんなことを言った。
伊織は意外と人をよく見てると思う。
「そんなに気になるなら直接本人に聞けば?」
ちーが体を起こして腕を伸ばしながら
ボソッと呟いた。
「いや、それ出来たら最初からしてるっつうの。」
慶詩の言うとおりだ。
ヒヨリンに聞くなら最初からやってるよ。
でも、無邪気そうなヒヨリンにそんなこと
聞けるわけない。

