まだ人生全然堪能してない。
死ぬなんて早すぎる。
まだ高校に入ったばっかりで、
ちっとも人生を謳歌してない。
「・・死にたくないっ!!!」
バッと飛び起きるあたしには
驚くべき光景で再び失神しそうだった。
こんなことなら死んどきゃ良かった。
「やっと、起きたっ!」
確か、あたしが気絶する前に現れた
可愛い女の子だ。
「あの、どちら様でしょうか?」
自分が頭を打ったのかもしれない。
「えっと、何て言えばいいんだっけ?」
可愛らしい笑みを向ける彼女にあたしは
依然とその光景に自分が夢を見ている
気がして仕方なかった。
「ここはどこなのですか?」
ついでに言うならあたしは誰だ?
もう訳が分からな過ぎて泣きそうだ。
「んとっ、ここはね・・事務所!!」
事務所!?
何故、そんなところにあたしが居る?
「そうですか、ご迷惑お掛けしました。
おいとまさせて頂きます。」
寝かせられたソファーからボサッと
立つと眩暈がした。
「あー、駄目だよ。
まだ、動かないで。」
そう言われても困る。
今、何時ですか?
「っで、あんた何で逃げた?」
そして、金髪再び。
この美少女と知り合いなのか?
意外と、金髪がイケメンだったことに
さっきまでの恐怖が薄れた。
「追い掛けられれば逃げるものだと
思うのですが?」
頭に当てられた冷やすものを
自分で持ってなるべく距離を取った。

