そんな、伊織君と家の近くでお別れし、
今日もスーパーはなまるに行くのだ。
自転車をかっ飛ばして夜の道を走る
ことには慣れた。
今日の夕飯はミートスパゲッティーに
コンスープを作ろうと思う。
明日の納豆と牛乳とお味噌汁に入れる
豆腐を買いとスーパーの帰り道だった。
自転車に乗っていざって時だった。
「きゃー」
あたし以外外には誰か居るわけも
なかった。
自転車でこの夜来る人は早々ない。
主婦の皆様ももう帰ってる。
疎らに居るスーパーから出ると、
異様な雰囲気がしたけど。
いや、今のは気のせいだ。
あたしには何も関係ない。
見てない、聞いてない、関わらない。
とは言いつつも自転車に乗ろうと
した時に泣きながら走ってくる
女の子の制服を見てハッとした。
そして、見たことある顔にゲッと
思って立ち尽くした。
確か、クラスの中でも大人しそうな存在の
明香里ちゃんだっけか?
「委員長!?」
あたしだけが気付いたわけでもない
みたいだった。
「ど、どうかしたの?」
その涙にビックリだわな。
アタフタしながらポケットから
ハンカチを取り出して差し出した。
「変な人が・・・」
自転車置き場の茂みがカサカサ揺れる。
それは不気味でとても嫌な予感だった。
とにかく、この子を連れ出さねば。
2人乗りは良くないけど、今はそんな
こと言ってる場合じゃないよ!!
急いで明香里ちゃんの手を取り、
荷台に乗せて自転車をマッハで漕いだ。

