Hurly-Burly 【完】


こういう時の出会いってのはもっとキラキラ

ってしてるものだって誰かが言ってた。

「オラっ!!!」

こんな出会い方じゃ、キラキラどころじゃない。

ビー玉を拾ったあたしを追いかけてくる

鬼さんが居る。

こう見えて足は速い方だ。

女子にしてはすごい早いと思う。

助けて下さいと叫びたい。

公園の裏ルートで金髪のヤンキーに

追いかけられてます。

雑草を履きなれてないローファーで

踏んづけていく。

よく見えないけど、金髪怖い。

「待ちやがれ!!」

どうしよう、何で追いかけられてるんだ?

そういえば、このビー玉。

これを拾った瞬間を見られた。

もしかして、これを捨てたら

追いかけられないかもしれない。

よしっ、捨てよう。

キラキラのビー玉を犠牲にあたしは

自分の安全を取った。

それなのに、何故まだ追ってくる。

いい加減、息も切れそうだ。

どれだけ走ったのか気付いたら、

スーパーなんて通り過ぎていた。

草で覆い茂った森を抜け小高い

丘で決着は着いた。

「きゃっ」

必死に走っていたのを止めるかの

ように前に突然壁が出来て気絶

したに違いない。

目が回ってよく覚えてない。

ただ、瞬間に見えたのは愛くるしい

ぐらい可愛い女の子があたしをハグした

ところぐらいで、そこからの記憶が全く

もってない。

あたし、死んだのかもしれない。

人生に終止符を打ったなんて簡単に

思っちゃマズイ!!