次の日、朝はまた一人でチューリップさん
にお水をあげて、2時間目の終わりぐらいから
バラバラと終結する後ろの席にギョッとした。
左隣りと馨君の席は未だに空席だった。
そういう日が数日も続けばあまり気に
なることもなくなった。
ちー君が居なかったり、馨君が居なかったり、
ナル君の可愛いお顔を拝めない日が来たり、
クールビューティーな京様が居なかったり、
ド金髪が居なくて清々したり、煩い笑い声
が居なくてちょっと寂しくなったり、
魔人フェロモンが居なくて安堵したりと
日に日にくるりな毎日の日々でも放課後
にあの恐ろしい絵が描かれた教室に遊びに
行くことは変わらなかった。
その誰が居ても必ず不良の皆様が遊んで
くれてゲームをやったり校内かくれんぼ
したり、缶蹴りしたり、毎日楽しい日々が
続いたからすっかり忘れてた。
「女子高生強姦に遭うか。」
伊織君が言うと何かあんたがして
そうで何とも言えんよ。
最近の話題と言えばそれが持ちきりだ。
ウチの学校ではまだ被害にあった生徒
は居ないが街奥には気を付けるよう
呼びかけがあった。
校長先生もつるつるの頭を光らせ、
注意を呼びかけてた。
「暇な人が居るものだな。」
そんな犯罪行為に走るヤツの気持ちが
分からないな。
その力をもっと他のことに使えばいい
んじゃないか?
周りに気遣える人ばかりじゃないんだろうけどね。
人間、誰だって最初から悪い人は居ない
ものだって父ちゃん言ってた。
悪の道に引きずられる何かがなければ、
みんな幸せに暮らせるんだろうなって
いう父ちゃんは相変わらずの考えの持ち主
だけど、あたしだってそう思えた。

