Hurly-Burly 【完】


帰り道散々あたしに憎まれ口を叩く

ド金髪とは喧嘩してばっかりだった。

「お前、夜道歩くなよ?」

家の近くでいいよって言った時、

急に真剣な表情で言われた。

「えっ、ああ。ド金髪に心配されずとも

夜道は歩かない主義なの!!

あたしは颯爽とちゃりんこでかっ飛ばす

タイプなのだよ。」

力みながら言ったのにド金髪は

ため息を吐きだして耳にたくさん

付いてるピアスに触れる。

「あのよ、気をつけろよ。

お前、自分じゃ絶対助けろって

言わないんだろ?」

ド金髪が夕日を背にあたしを

見下ろす。

「う、うん、」

それ、誰に聞いたのだ?

「だから、気をつけろ。

てめぇにばっかり構ったは

通用出来ねぇからてめぇが

気をつけろ。」

気をつけろ気をつけろって

ここはそんなに危険地区なのかい?

街の雰囲気は確かにたまに気味が

悪いところもあるってサユが言うけど、

あたしが済んでるここらへんは平和じゃん。

確かに、最近変質者が多いってのは聞いた

けどさ、あたし返り討ちに出来る自信がある。

「ああ、そうするよ。」

まぁ、このド金髪にしては言ってくれた。

あたしが気を付ければいいさ。

その内、あたしの強さに気付くさ。

今まで、どんなことも一人で

やって来たんだからな。

料理に洗濯に掃除に勉強、

どれも気が抜けなかった。

たった一人で全てこなせる

ようにあたしがどれだけ努力したことか。