「ひよ、ヒヨリン落ち着いて。」
不良の皆様方が何故か学校に
あるテレビに電源を入れる。
「ゲームしようぜ!!」
「あの・・・」
神隠しされたメンバーを探しに
行くのが普通ではないかね?
だが、それは一瞬だけのことだった。
「とりゃりゃりゃ」
ゲームのコントローラを手に人格
が変わったあたしに不良集団の目が
点になった。
「必殺サンダーボルト」
格闘ゲームをアフロのよっちゃんと
一緒にやってたわけだけど。
「っげ、避けきれねぇ。」
まさか、あたしがゲーム達者だとは
思わなかったらしい。
余裕のよっちゃんでよっちゃんに
勝ったあたしに大声援だった。
おまけに強いよっちゃんに勝った
とのことで胴上げだった。
「はっははははは、正義は勝つのだ。」
胴上げされてちょっとビビったとは
言わないぞ。
「ひーちゃん、すげぇ」
「尊敬っす」
「俺にも教えて下さいっす」
不良集団に囲まれてゲームを
堪能していた。
「ひーちゃん、勉強しか取り柄
なさそうだったからな。」
し、失礼だぞ。
「ちげぇよ、後、妄想があるじゃねぇか。」
てめぇ、坊主の兄ちゃん?
ゲームはよく父ちゃんと一緒にやった。
勉強ばっかりするなって引きずられて、
毎日のようにやったさ。
たまに帰って来てあたしを振り回す
あのおじさんが。

