Hurly-Burly 【完】


そんなあたしの気持ちを察したのか、

「ヒヨリン、迎えに来た!!」

ナル君に軽く攫われた。

「サユ、帰っていいからね。

あたしに遠慮などしなくて・・ぐふぉ」

遠慮してるのはあんたじゃないと言う

サユの言葉は届かなかった。

とにかく、嵐のようね。

今日も元気で嬉しいけども、

さっき居なくなったはずでは?

ガラガラと音を立てて入るのは

校舎の奥のメルヘンちっくじゃない

絵が描かれたイカツイ兄ちゃんたち

のパラダイス。

ようこそここへとは歌いたくないぜ。

古すぎだぜ。

「す、おすりちゃん化してる」

語尾を直さねば。

というか、口が回らなかった。

スギちゃん化と言いたかったのに。

悲しいわ。

「「ヒヨリン」」

あら、昨日より少ないわ。

アフロのよっちゃんがあたしの手を

引っ張る。

「ヒヨリン、遊ぼうぜ」

憎めないわこのアフロ。

「いいけど、何して遊ぶの?」

キョロキョロ見てると、

ソファーで寝転がるちー君と

あたしの隣でわくわくした顔の

キューティクルフェイスのナル君と

ちー君の向かい側にあるソファーで

雑誌を手に欠伸をするド金髪のみ。

他の4人どこ消えた?

ま、まさか!!

「か、神隠しだ!!」

ヤバいよ。

誘拐されるようなメンツじゃないし、

きっと神の逆鱗に触れたに違いない。