Hurly-Burly 【完】


あんまり人と関わることが苦手なあたしでも

商店街の人は小さい頃からのあたしを知ってる

人が多くてフレンドリーに接してくれた。

「最近、空き巣が多いから気を付けるんだよ。」

八百屋のおじさんとおばさんは我が子のように

接してくれる。

「はい、ありがとうございます。」

下手したら小学校高学年から一人で

あの家を守ってきてるかもしれない。

中学は殆どあの家で一人だった。

一人が嫌いなわけではなく、むしろ

居心地が良かったりもした。

たまに父親がひょっこり帰って

きたりしてドタバタ騒いでまた

居なくなるってのを繰り返されると

物事に動じなくもなる。

スーパーで牛乳とヨーグルト

明日の朝に納豆と鮭を買って

行こうと考えていた。

休みの日でもあたしは朝は

いつもと同じ時間に起きたい

主義だから寝坊というものを

したくない。

この生活サイクルが崩れるのは

風邪をひいた時だけだ。

必ず、朝ご飯をきちんと食べる

習慣になったのは朝でもぐうたら

してる父親にゾッとしたからだ。

「それにしても騒がしいわ。」

主婦がチラホラ何か噂をしてた。

一体、何がと思った。

スーパーまでの通り道月見が丘

公園だとか言う公園で光るものを見つけた。

ビー玉っていうヤツみたいだ。

公園の方が騒がしいとか言うから

こっそり裏ルートを通ってスーパー

に行こうとした。

そもそもそれが間違いだった。

あたしは二度も過ちを犯した。

人生、やり直しはきかないと

それでようやく思い知ることに

なるとは一生の不覚だと思う。