自分を追い越して、元気よく走っていく小学生たち。 ランドセルがカタカタと鳴る音に、幸一は我に返った。 気づくと信号は、いつの間にか青に変わっていた。 苦笑いをしながら、横断歩道を渡る。 ―――参ったな。 いまだに、小学生を見ると一瞬、胸がドキッとする。 あれから14年もたつというのに。