棚から教室の床へと足を滑らせ身を置くとスゥっと息を吸う愛華。


「彰と壮一も一緒だったんだね」


親しい友達に会えた安心感からかそんな言葉がスルリと出た。


「ああ、愛華と先生がいるのには驚きだけどな」


と、彰。


加えてここに居るのかを問いただす。


さっき蓮にも問われた事。


戸が開いたことでまだ話せていなかった。


愛華はゆっくりと口を開く。


「私達ね」


微かに誰かが唾を飲み込む音がした。


愛華は今に至までの経緯を話し始めた。


この地下にどのようにして来たのか。


自分達に起こった事、非現実的なことまで全て。


紗絵子は時折、愛華の話に補助的に付け加えるだけで、恐怖を思い出したのか表情は次第に強張っていった。