「あの…」
しばらくすると
最近のチャート上位の曲がいい感じで流れている。
次の曲の予約、誰も入れてないみたい。
薄暗い空間。
今なら少しだけ素直になれそう。
先輩の顔はすごく優しくてじっと私を見つめていた。
その瞳は相変わらず私をぎゅっと締め付ける。
「少し、話そうか。」
彼の瞳に逆らえず
言われるがままにうんと頷く私。
カラオケそっちのけで
みつばちゃんと秋口さんはしゃべってるし
学子と東国さんもいい感じ。
気がつけば、
胸のドキドキはどこかに消え去ってしまった。
心音なんかよりも
もっと聞きたい言葉が聞ける。
そう誰かが教えてくれている気がして。
―今週のヒットチャート~―
テレビから聞こえる浮かれた声は
私の意識にもかすらず遠くの方へと
流れ行く。
「綿森さん。」
「はいっ!」
先輩のまっすぐな瞳は
私の頬を薄く赤らめた。
「俺の事はコウスケで、いいから。先輩って言われるの苦手なんだ。」
「おっ、俺は真さんで!」
って、東国さんが
言っていた気がするけど聞こえなかった。



