嬉しくて心が躍るかと思えば、
うまくきっかけをつかめずにざわついていたりもする。
先輩ともっと仲良くなるチャンスなのに。
怖い。
もう、逃げ出したい気分だ。
ううん。ダメ。
逃げ出したら繋がらない。
がんばれ私。
「あ、あの、先輩。」
先輩は
ずっと画面の方を向いているみたいだったけど
私の声に気がついてくれたみたいだった。
すると、腰を上げ私のほうに向かって来た。
「ゴメン、聞こえにくいからこっち来ちゃった。」
え?
えぇぇぇぇぇぇ!?
そう思うと、
学子の曲が終わり、
リモコンを手にして曲を消した。
「学子ちゃんよかったよ~」
気がつくと
私達以外は学子の曲に拍手していた。
遅れて私も拍手する。
じっと私の顔を見つめる先輩の隣で。



