「はいっ。これ。」
 
 
カラオケの割引チケット8枚。
 
 
「…何、コレ。」
 
 
「割引チケット」
 
 
そりゃわかるよ。
ただ、いよいよだって思うとそんなセリフが口から飛び出したんだ。
 
 
「今日のデートコース!割引だけど愛は増量で!」
 
 
そのセリフ、親父くさくない?学子。
 
 
「いいね、行こうよ?ね?美里ちゃん。」
 
 
珍しく、ノリがいいみつばちゃん。
カラオケが好きなのかな。
 
 
「うたかぁ、あたし上手くないんだよなぁ。」
 
 
先輩にかっこ悪い姿見せたくない。
そう、戸惑う私に
 
 
「大丈夫だよ!そんな姿もかわいいって」
 
 
ホッとするような答えをくれるみつばちゃん。
ホント、みつばちゃんはいい子だよ。
 
 
「ヒカリは、やっぱり行かないの?」
 
 
ヒカリはいいよって手を振っていた。
 
 
「私は、今日も桃乃木君に勉強教えてもらうわ。美里、桃乃木君借りるね。」
 
  
学子がヒカリに、にやっとした顔で突っ込む。
 
  
「最近、怪しいわよね~、美里、桃乃木君とられるよ」
 
 
私は、少し笑ってた。
 
 
 
「じゃ、行こっ。おにいちゃん達が待ってるよ」
 
 
  
みつばちゃん、やる気満々だ。