毎度、毎度の

見慣れたやり取りの繰り返し。

入学したばかりだけど

私の日常は変化が無い。

またしても中学の延長が始まる。


これからすることは、

顔を洗った後

制服に着替え、

それから急いで学校に行く。

それだけ。

今は、部屋の隅にある鏡の前にいるけど。



「みさぁ?

アンタ、

今日からまた学校でしょ?

もう、中学生じゃないんだから

早くしなさいよ。

純君だって

外で待ってくれてるんだから」




お母さん、うるさいなぁ。



って言うか桃乃木のヤツ、また来たの?



なんて思いながらネクタイをゆるく絞めた。


桃乃木純。

保育園の頃から一緒にいる幼馴染だ。

家も近所でよく同じクラスになった。

高校に入ってからはさすがに違うクラスだけど

今でも、昔みたいに迎えに来てくれる。

ただ、本人は

成績は優秀なんだけど

最近妙に口が悪く、

愛想がない。

どちらかと言うと、

苦手なタイプ。


小さい頃から遊びに行っていたせいか

彼のお母さんの楓さんと

うちのお母さんはすごく仲がいい。

もちろん私も。


ま、そんなことよりも、


「うん!やっぱりここの制服は正解!」


ちょっと、変かな。


う~ん。

ネクタイって慣れないと難しい。



「ま、いっか。」



「み~さ!!」



「うっさいなぁ。月曜だから気合入れてるのに。」