「学子、ありがと」
私が礼を言うと桃乃木もおどおどした感じで
「・・・どうも。」
と、返事をした。
「サービスだよ、また今度も来てね?お二人さん♪」
受け取った割引券を机の上に置く。
「そう言えば勉強、はかどった?」
学子の質問に、必死な表情で答える。
「数学が絶望的。」
そんな返事を待たずゴメンと、
お客の様子を眺める学子。
お店はなかなか繁盛しているみたい。
活気があって凄くいい。
「お父さんがね、手伝えってさ。」
でも学子、勉強しなくて大丈夫なの?
学子も数学苦手って言ってたじゃん。
すると、耳元で学子は囁いた。
「明日の遊び代♪」
悪い子。
でも、気持ちは分かる。
ホント明日は楽しみだよ。
高い壁が待っているのに
希望がどんどん膨らんでゆく。
「ところで、何にする?」
「う~ん?何が良いだろ?学子、何がおいしい?」
「人気はエビと豚かな。」



