「いらっしゃ~い」
あ。
…学子だ。
「よ!」
なんで学子が?
「ウチの手伝いしてるんだ!」
ウチ…??
「実家なんだ、学子の!
おじさ~んまたよろしく!」
いらっしゃ~いと厨房の方から
声が聞こえる。嬉しそうなヒカリ。
「知ってたの?」
「もちろん!」
ヒカリは手にを握りしめていたものを
学子の方にさし出す。
割引券。
お一人様200円引き
「へへへ。よく来てくれるんだ♪♪」
学子はそう言ってエプロンのポケットの中から
全く同じ黄色い割引券を2枚取り出した。
「なるほどね~」
学子が妙に人懐っこいのも
勉強しないで家に帰るのもわかる気がした。



