思いを伝える。
思いを伝えるかぁ。
思いを伝えるのって難しい。
コウスケ先輩にこの気持ち伝わるかな。
でも、何が伝わるんだろ。
自分の事なのに
よく分からない気持ちを伝えるの?
沸き起こるいろんな感情に
戸惑って自分でもよく分かっていないのに。
ヒカリがポツリと囁いた。
「付き合いたいの?」
付き合いたい?
そう・・・なのかな。
二人で一緒にいることを
想像しているだけでも楽しい。
きっとそうなんだ。
うん、そうだ。
「彼女とかいるかって知ってるの?」
ヒカリが笑って言うと首を横に振る私。
「ふふふ。そっか、そっか。」
ヒカリが嬉しそうに笑う。
「何?」
その笑みが何か別の意味を含んでいるようで仕方がない。
「多分いないよ。」
ヒカリが答える。
「多分?」
「そ、多分。」
絶対、じゃないんだ。意地悪。
でも、ありがと。
おかげで少し気持ちが落ち着いたよ。