「あるけど、
いいの?
待ち合わせは?」
そういえば、
桃乃木が待っているって言ってたっけ。
ま、どうでもいいけど。
「い~の?美里。
桃乃木君待ってるよ?」
「い~の、い~の。
どうせたいした用事じゃないんだから。
明日聞くよ!」
そう言うと私はヒカリと一緒に学校を出て行った。
結局、
桃乃木には会わなかった。
桃乃木、用事があるって
言ってたけどたいしたこと無いと思う。
「学子達のとこに行く?」
学子、
コウスケ先輩と一緒にいるかもしれないんだよね。
「あっ!ちょっと待って。」
思わず、ヒカリの手を掴んだ。
「どうしたの?」
ヒカリが不思議そうに言う。
「いや、その、なんて言うか、
聞いて欲しい事があってね。」
自分でも顔が赤いんだろうなって凄く分かる。
顔のほてりが全身を圧迫していて苦しい。
「本当にどしたの?下向いて。」
ヒカリが顔を覗き込む。心配そうな声。
「あのね、実はね。」
こういう場面になったら、先輩いいなって思わない?
なんて軽いノリで言えるわけも無く、
どう言葉にしていいのか分からなかった。
どう言えばいいのか困惑する。
中学のときだったら、
いいよね?あたし付き合いたい!
って簡単に言えてたのに。
『好き』って気持ち。
真剣なんだ。



