「美里~、
待ち合わせの時間だぞぉ」
無邪気な様子で
ヒカリが手を振りながら近寄ってきた。
「みさとさ~ん?もしも~し?」
ヒカリが私の名前を呼ぶ。
「・・・はっ!あれ?」
私はびっくりして我に帰った。
いつの間にか授業が終わってる。
また、ノートも真っ白だ。
ずっとコウスケ先輩の事考えてた?
このパターン、ヤバイぞ私。
「美里、ぼ~っとしすぎじゃない?
はいっノート。学子からだよ。」
「あ、ありがと。ま、学子は?」
「みつばちゃんと来週の交渉中。
それにしてもさ、
美里いつも何考えてるの?
もしかしてまた、彼の事?」
ヒカリが少し意地悪そうに質問してきた。
この質問に私は答えられなかった。
「…。」
ヒカリには今思っていること話しておきたい。
そう思う。
ずっと思っているこの気持ち、心の中のわだかまり。
話してしまいたい。
「ね?ヒカリ、今日これから時間ある?」
しばらく考えた後、ヒカリは答えた。



