不機嫌そうに、答える桃乃木。
それを見守る楓さんのほうを
見ないフリをして
私は帰る準備をはじめた。
「美里。これ、もって行くか?」
私があげた粒入りキャラメル。
桃乃木が手に持っていた。
「それ、私があげたやつなんだけど?」
「は?そうなの!?」
「そうなの!」
桃乃木の顔をじっとみつめると、
彼は黙って目をそらした。
「二人とも。
そろそろ帰りなさいよ。
明日も学校でしょ?」
楓さんに言われ時計を見ると七時を廻っていた。
「楓さん!また来ますね!!」
「えぇ、楽しみにしてるわ。
気をつけて帰ってね!純も。」
「待てよ。美里!じゃ、母さんまた。」
そう言うと、私たち二人は帰路についた。



