「食え。」
そのぶっきらぼうな言葉に
不快感を覚えつつも黙って口の中に入れた。
「美里ちゃん。
これからも純を頼むね…」
戸惑う私。
見た目が元気なさそうな人からの
『頼む』という言葉。
それは軽い意味の言葉じゃない。
そんな予感が私の言葉を奪っていた。
この先何があってもずっと…?
それとも、ただの挨拶程度?
わけのわからぬまま
フラッシュのような閃光が
部屋全体を包んだ。
「…雷。」
「降ってきたね。」
外は雨。
『この先何があっても』
脳裏に浮かぶ
この言葉が私の心を締め付ける。
あまりに突然すぎて答えられなかった。
少し桃乃木を見て考えた言葉はこれだ。
「桃乃木、お母さんが、
美里様の命令をとよく聞きなさいだってさ!!」
「何だ、それ!
そんなこと言ってねぇよ。」



