「えっと、その子は?」
私はヒカリの後ろに
いた小柄な女の子を指差した。
「私は、小柳です。
小柳三葉。よろしく。」
そう言って彼女はあどけなくはにかんだ。
「ミツハちゃんか。
いい名前だね!」
「同中なんだ~。
可愛いでしょ!
みつばちゃん。
私のペットだもんねぇ~。
よしよし。」
「え?えっと…。」
ヒカリに頭をなでられ
小さくまとまってる小柳さんは
嬉しそうに鼻を
ひくひくさせるウサギのように見えた。
うん?
ヒカリって明るくなったなぁ。
「ペットって…。」
「私は、気にしてないよ?」
それはそうと、
わたしもみつばちゃんって呼ぶことにしよう。
それから
私達は
ヒカリとの懐かしい話に花が咲いた。
彼女が
転校したその後から
この高校に志望した経緯まで。
いろいろ。
それにしても凄いなと思うのは学子。
私ともそうだけど、
もう、ヒカリたちと友達でいる。
この順応性は見習いたい。
「でさぁ?」
学子が
急に目をパッチリさせ
にやりと笑った。
これは
間違いなく
何かろくでもないことを
思いついたときの顔だ。
本能でわかる。
目をフクロウのように大きく開かせ
口角をこれでもかってくらい吊り上げ
とびっきりの笑顔にまで
昇進させた後に繰り出す、尋問。
あぁ…来るぞ…。



