「うん?しゃーなしで、あげてやった。

あっこれ美味しいね学子!」
 
 
「ありがと!!」
 
 
「しゃ~なし?」
 
 
そう、しゃ~なし。お義理ってヤツ。


「一応さ、桃乃木のやつ、

15の私の誕生日にプレゼントくれたからね。」


「何?なにくれたの?桃乃木君!」

と、興味津々の学子。


「ダレ猫のマークの入った茶碗。だよ。」


「あっ、あの猫のカワイイやつ?い~じゃん」


「でもね、同じの友達に頼んでたんだよね。

だから被っちゃって微妙だった。」


全く同じものをもらうってのは
リアクションもとりにくいしね。


「そりゃ、微妙だね。」


友達って言っても当時好きな人だけどね。
そんな中ヒカリがポツリ。

「学子、自分とこの商品食べ過ぎじゃない?」
 
「そう?」

手が止まらない学子。

 
「桃乃木のやつ、

何だかんだで

いつも私の欲しいものくれるんだけど。

ホント、空気読めって感じだよ」


「ふ~ん?まぁ、でもお返ししたんでしょ?」
 
 
「何あげたの?」
 
 
ほそぼそとお菓子を

つまんでいたみつばちゃんも入ってきた。
 
 
「さくらんぼのマークの入った日記帳!だいぶ、悩んだんだよ?」


「どんな顔してもらってた?」


「『俺は別に誕生日なんて…』だってさ」


「カワイイ!桃乃木君!」


「でも、アイツなぁ~、

日記帳を計算ノートと勘違いして使いそうなんだよね~

バカだから」


「…美里ちゃん。そんなこと言って、後で怒られない?」


「大丈夫だよ。だって桃乃木だもん。」