ガチャ!

私は、屋上の扉を開ける。

そこに居たのは、寂しげな表情で空を眺める白狐。
この白狐、白守と言う名前の天狐で、神に近い存在だ。

由紀音「白守、生徒に見られたでしょ。化け狐と勘違いされて、七不思議の一つになっているんだけど。」

白守「私は、化け狐では無く、天狐だ。」

由紀音「分かっているけど、分からない人も居るんだから。」

私は、屋上の壁に寄り掛かる。
一体、何人がこの白狐を見て、天孤だと分かるだろうか?
おそらく、妖狐だと思う人間の方が多いだろう。


由紀音「生徒に、見られないようにしてよ。私の仕事が増えるんだから。」


白守「わかった。気を付ける。」

白守は、切なげな微笑みを見せた。


由紀音「どうして、貴方はそんなに切なそうな微笑みを見せるの?」

白守「いつか、由紀音にも分かる日が来る。」


再び、白守は切なげな微笑みを浮かべる。



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