俺の耳が夏実のハスキーボイスにキンキンしてきた頃、ふと時計を見ると ………5時50分 夏実はウゼェし、柚希は来ねぇし、そろそろ帰るか……。 「おい、そろそろ時間だ。片付けとかあるから早く出てってくんない?」 夏実は失礼なヤツね……なんて言いながらしぶしぶ出ていった。 片付けを終えて最終確認をしていると、床にカードみたいなのが落ちているのが見えた。 それを拾い上げてみると、それは“櫻井柚希”と名前が書いてある定期だった。