私が海に還るまで






帰りの新幹線の中


私達は無言で




私はシュウに何も聞いたりしなかったし


シュウも何も話したりはしなかった





途中、シュウが暖かいコーヒーを買ってきてくれて紙コップのそれを全て飲み干すと眠気が生じてそのまま寝てしまった










「…サキ、降りよう」




シュウの声で目を覚まし手を引かれ新幹線を降りた




でもそこは朝出た駅とは違った



頭の片隅で感じながらも眠気に勝てず、訪ねたりしないでシュウに手を引かれるままタクシーに乗り込み、やはりそこでも眠ってしまった



どれくらい車に揺られたのか




同じように起こされて車を降りると



辺りは真っ暗で



いつか嗅いだ潮の匂いが漂っていた