そしてシュウの話してくれたあの話を思い出した 「海……海に行きたい」 四方を山に囲まれた地域で育ったため海を見たことがなかった私は、シュウの話してくれた生命の起源が生まれた海を一度見てみたいと思っていた事を思い出した シュウはそれを聞いて静かに 「いいね」 笑った 「明日の夜まで待ってくれる?」 「うん!」 その日の父親の訪問でどうしようもなく焦燥していた私だったけれど、シュウとの約束で明日の楽しみを与えられ心に安穏を取り戻すことが出来た それでも その日の夜は何度も夢から覚めた