一日中ぼうっとして家にいる私を気遣ったのか シュウは子供向けの本をたまに持って帰ってくれた それにシュウがいるときは本を読んでくれたり それは暇つぶしと共にシュウに攫われた為、一学期の終わりから学校へ通えなくなった私への罪滅ぼしだったのかもしれない 「サキ、知ってる?この地球上の生物の祖先は元は一つだって」 シュウは生物の図鑑を開きながら静かに私に問う 「ほんとに?信じられない……」 びっくりして聞き返す私に シュウはやさしく笑う 「本当だよ 生物の祖先は海で生まれたんだ」