「2個買っちゃった」 ゆかりは、私の好きなドーナツを二つお皿に乗せて戻ってきた。 「じゃあ、ゆかりの話聞こうかな。ハンカチ用意してきたから」 「そうだよ。感動の涙流す準備しといてね」 大好きなゆかりの涙をたくさん見た。 あんなに泣いているゆかりを見るのは初めてだった。 すれ違い、絡み合い、好きなのに別れることになったゆかりとたっくん。 どんな風に、ふたりは元に戻ったんだろう。 私はひざの上にハンカチを置き、ゆかりのキラキラした瞳を見つめた。