「たろうちゃんこのお家で

生活してるんか~」

そう言いながら

飾られた写真を見ていた。

子供のお誕生日会の写真なのか

ケーキと一緒に幸せそうな

たろうの家族の笑顔があった。

もちろんたろうの家庭を壊す気はない。

でも心が痛むという事は

たろうの事を想っているからだろう。

そこに愛がなければ私の心は痛まない。

「はよ歯磨きして布団入んで~」

たろうの声で我に返り

「そないしよ」

平気なふりで返事をした。