「最初に検査したのは全部陰性でした。

陰性だったので今まで授からなかった

原因に多嚢砲性卵巣症候群というのが

あげられます」

初めて聞くその名前に

戸惑いを隠せなかった。

先生は話を続ける。

「この多嚢砲性卵巣症候群というのは

症状に個人差がありまして

全く排卵しない人と

3ヶ月に1回のペースなどで

排卵する人もいます。

今あなたがどちらかというのは

分かりません。

2・3ヶ月基礎体温を毎日つけてください。

それを見れば排卵しているのかが

分かります」

そう言って基礎体温表を貰った。

「あなたはまだお若いので

治療は今すぐでなくても

いいと思われます。

しかし、この多嚢砲性卵巣症候群には

これといった治療法がありません。

排卵するように促すことはできます。

それがうまくいくかはまた個人差があります。

とりあえず基礎体温をつけてから

また考えましょう」

そう言って不妊の本をくれた。