そこには私の仕事用のノートがあった。

いつもは会社に持って行っているけど

今日に限って忘れてきていた。

「ごめん。

中見てもうた」

まこが落ち込んでいる理由が分かった。

ノートの中にはたろうとの手紙のやりとりが

まだ残っていたのだ。

“愛してる”

ノートにはそんな言葉もあった。

「たろうって会社の人やんな?

付き合ってるん?」

聞かれたので、首を横に振った。

「じゃあ何なん?」

まこは私に問いかけたので

「不倫してた」

正直に答えた。

「何でゆうてくれへんかったん?」

まこにそう言われたけど

私はつぐと別れてから

形にはしてなかったけど

一緒に居た人はいてたと言っていた。

「ゆうてたやん。

一緒におった人はおるって。

不倫って言葉にしやんかっただけ」

私はそう答えた。

「ゆうてくれたら良かったやん」

まこはそればっかり。