「本間は仕事辞めたい。

でもそんな事で辞めたら

しょうもなくない?

だからって解決策がないやんか」

こればかりはどうしていいか

分からなかった。

「俺もそれはどうする事も

できへん。

本間にななを支える事しかできへん。

なながちょっとでもマシになるように

俺は話聞いたりしかできへん。

ごめんな」

たろうもどうしようもない気持ち

だったのだろう。

どちらからともなく繋いでいた手から

伝わってきた。

たろうは私を助けようとしてくれてるけど

話を聞く事しかできない自分を

悔やんでいた。

「たろう…そんな顔しやんで?

たろうのその気持ちだけで十分。

また明日から頑張るよ。

ありがとう」

話を聞いてくれただけで

十分だった。

痛いくらいにたろうの気持ちが

私に伝わってきて

なんだか心が温かくなった。