「たろう離れよう…」

私が出した答えだった。

「何でやねん?

辛くなってきたか?」

たろうの声は優しかった。

「今まで約10ヶ月ありがとう。

学んだ事いっぱいあったし

過ごした時間楽しかった。

でもな...このままじゃあかんねん。

ななの心があかんなんねん。

先が見えへん不安と

いつも一緒におられへん寂しさと

ななが持ってない家族ってゆう存在と

どんなけななの事想ってくれてても

嫁って存在には勝たれへん事...

完全にななの負けやな。

心休めたくなった。

仕事も嫌でプライベートも

思い通りにいかんくて

疲れてしまった。

ごめんな...

いきなり離れる事選んで。

いきなり過ぎるお別れでごめんな...

ななとの時間いっぱい作ってくれてありがとう。

たろうが家でいいパパいい旦那してたから

続いたんやろな~って想った。

二重生活しんどかったやろ。

ごめんな...」

会ったら絶対離れられなくなる事が

分かっていたから

あえて電話で告げた。

泣いても気付かれないから。

たろうの前で泣いてしまったら

たろうは私の涙を拭いてくれる。

でもそれをされたら

私はいつまでもたろうに甘えてしまう。