「1人暮らししよかな。

あの家4人家族やのに

なな仕事から疲れて帰って来ても

おかえりってゆわれた事ない。

なら1人暮らししたほうが

ましや。

1人やったらおかえりって

ゆうてくれる人がおらんで

当たり前やけど

あの家はそうじゃない。

たまには誰かがおかえりって

ななを出迎えてくれるかなって

期待してしまう。

そんな期待はことごとく

裏切られるんやけどな」

たろうは頭をなでてくれた。

「ななは頑張ってるで。

でももういいんちゃうか?

そんなに頑張らんで…

たまにはななのわがまま聞いてもらい。

1人暮らししてみたら

みんなななのありがたみに

気付いてくれるかもやで」

優しく背中を押してくれた。