もう今日ここに帰って来る事はない。

次にたろうと会えるのは

仕事が始まってから。

たったの10日一緒に居ただけで

離れるのがすごく寂しかった。

お昼ご飯を食べ終えると

車は私の家に向かう。

見慣れた景色。

今は見たくなかった。

それでも車が止まることはない。

「たろう短い間やったけど

ありがとう。

めっちゃ楽しかったわ」

私が言うと繋いでいた私の手を

強く握り

「寂しくなるな。

でもありがとう。

俺も楽しかった」

別れを惜しむかのように

たくさんのキスをして

たろうの車から降りる。

「気ぃ付けてな」

そう言って手を振る。