あなたじゃなきゃダメ...


目的地までもう少し。

ナビを見ると到着時刻が

12時ぎりぎりだった。

「もしかしたら間に合うかもやで」

たろうの言葉で不安が消えた。

高速を降りてから

道を案内する。

「ここら辺サーフィン行く時

通った事あるかも。

だからだいたい分かる」

目的地を目指していると

だんだん混んできた。

「みんな花火見に来た人ちゃうか?

混んできたけどもうすぐやで」

たろうがナビを見る。

ゴールまで目と鼻の先だった。

「たろうすごい!

間に合ったな。

一緒に花火見れる」

たろうと年を越せる事が

嬉しかった。

1年の始まりにたろうが居る。

去年の今頃は知り合ってもいない

他人だったのに今はこんなに

愛しい人に変わった。