目の前が真っ暗. あたりが密封され、視界が定まらない. 辺りには微かな光も差さず、ただひたすらにコンクリートの鼠色が覆う. 大きな地震の後は静寂だった. ひっそりと闇が包む.恐怖は一切感じられなかった. 愛実のすぐ上には乗っかかるようにして宮地が息絶えていた. そろそろ冷たい体が愛実の体温を奪う。 大きい体の宮地の体重が直接に愛実にかかり、息苦しく、肺をつんざく