「そっか…。
でもさ、誰だって初めてってあるだろ?
たまたまチャンスがなかっただけで。
いつかは行くんだし、先延ばしにしたって初めては来るじゃん。
だったら来週の合コンを蒼の初めての合コンにすれば?
俺も行くし、帰りも一緒に帰ればいいんだから。
ま、蒼に気に入った男が現れて、お持ち帰りされるなら別だけど(笑)」

「お、お持ち帰り―――!?」

「嘘、嘘、冗談だよ。
蒼がイキナリお持ち帰りされるような女じゃないってぐらい分かってる。
だから一緒に行こう?
俺と涼平が近くにいれば、話もなんとか出来るだろ?」

「ん…そっか。帰りの心配をしなくてもいいのは助かるかも」

「男に誘われたら『唯と帰るから』って言えば言い訳になるぞ?
な、だから一緒に行こうぜ?」

そこまで言われると断る理由も無くなる…。
そうだよね、従兄妹の唯と一緒なら
帰るタイミングも掴めるし。
勝手が分からずにドギマギするよりかは
唯と一緒の方が絶対にラクだ。

「じゃ、行ってみる」

「ヨッシャー、なら涼平に伝えるからな!」