ん…。
目覚めた私は違和感に気付く。

そっか、私。 実家に帰ってたんだ。

そういえば昨日はおばあちゃんに会わなかったな。
文句の一つも言わなくちゃ。

「お母さん、おはよう。おばあちゃんは?」

「おばあちゃんなら町内の慰安旅行で温泉に行ってるわ」

「温泉―――!?」

はぁ~。溜息が出ちゃう。
なんだか文句を言われるのを見越したような行動だなぁ。

慰安旅行だから仕方ないのだけれど
おばあちゃんの真意が聞きたかったのにな。

朝食を済ませ、私はそそくさと帰宅の準備をした。