「…今から丁度一年前になるわ。私は、初めて心の底から人を好きになった。同級生で、同じ美術部の人。今と同じ梅雨時期の、丁度こんな薄暗い、とある放課後の事だったわ。
-…その人に後ろから呼ばれて、振り向きざまに、キス、された-
それ以来、私達はただの級友から、恋人同士へと発展した。どこに行くのも一緒、何かするのも、常に、その人と一緒だった。喜びも、悲しみも、どんなささいなことでさえ共有し合った。物憂げな、この灰色の季節をも忘れさせたあの日々。私達、運命共同体だった…
でも、丁度梅雨明け宣言がされたあの日、私、言われたの。他に好きな人ができたって…何度も、何度も、思い直してくれるように言ったわ。でも結局、高校を卒業すると同時に、その人は私に一通の手紙だけを手渡して、私の前から何も言わず、完全に姿を消してしまった…
だからね、私にとってはこの恋は不完全燃焼、まだ、この雨降りの季節が終わったって認めたくはないのよ…」
「…」
-…その人に後ろから呼ばれて、振り向きざまに、キス、された-
それ以来、私達はただの級友から、恋人同士へと発展した。どこに行くのも一緒、何かするのも、常に、その人と一緒だった。喜びも、悲しみも、どんなささいなことでさえ共有し合った。物憂げな、この灰色の季節をも忘れさせたあの日々。私達、運命共同体だった…
でも、丁度梅雨明け宣言がされたあの日、私、言われたの。他に好きな人ができたって…何度も、何度も、思い直してくれるように言ったわ。でも結局、高校を卒業すると同時に、その人は私に一通の手紙だけを手渡して、私の前から何も言わず、完全に姿を消してしまった…
だからね、私にとってはこの恋は不完全燃焼、まだ、この雨降りの季節が終わったって認めたくはないのよ…」
「…」


