-塁 side- 数分後、壱が戻ってきた。 「おい、球技大会は明日だぞ?何してたんだよ」 俺は、壱に向けてそう言った。 「……」 無視かよ。 壱は、地面にあったグローブを見つめ、重い口を開いた。 「なぁ塁、俺って最低だよな」 「は?何だよ」 「俺はお前が羨ましい」 壱は、グローブから俺に視線を移した。 「何言ってんだよ急に。俺が羨ましいって何だよ」 壱は悲しい表情で、俺を見て話始めた。