白い小さな箱…。

手の平に乗せ、蓋を開けてみた。


「…え」

出てきたのは、Diorのネックレスだ。

「主任っ!いいのっ?!貰ってもっ」
だって!すっごいかわいいんだけどっ!

「俺はよくわからんから、店員に選んでもらった」
半分眠りながら、主任は言う。

それでも、主任がお店に行って買って来てくれたんだ。
私にって、買ってくれたんだ。


嬉しい……。

「ありがとうございます!」
私は、ネックレスを握りしめて胸に抱いた。

主任のくせに、何て嬉しい事をっ!


「…来年は、結婚指輪だからな」
「何言ってんの?」

何?


何だろ……。

今…私、違うって言えなかった。


隣に立つ主任は、プレゼントを渡して安心したのか、眠り始めてる?!

「主任!寝ちゃダメですよ!」
死ぬって!
「じゃあ、綾美も中に入れ。風邪ひくから」
「……………」

重そうな瞼を開き、私を見つめる主任。

…心配してくれてるの?


あ〜〜〜…!もうっ!

私、主任に感化されちゃってんのかなぁ。

どうしちゃったんだろ。


私は夜空を見上げた。

来年か。

来年…私はどうなっているのかなぁ〜…。


わっかんないや。